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アミターバPJ第1弾
メディカルシェアハウス アミターバ
ご自宅での生活が困難な方や、介護施設では受け入れが難しい疾病を抱えている医療依存度の高い方が、最後まで穏やかに生活できるよう、臨床宗教師が在駐する共同住宅として、メディカルシェアハウス アミターバは2015年11月11日誕生いたしました。併設の訪問看護ステーション、訪問介護ステーションにより、日々の生活、医療処置や体調の急変時の対応が可能です。訪問介護ステーションスタッフのうち10人が、介護福祉士資格を所持しており、すべての常勤職員が喀痰(かくたん)吸引研修を受講しております。夜間の見守りサービスとの併用で24時間サポートさせていただきます。
メディカルシェアハウス アミターバは、ご入居者自身の、これまでの人生の過程や考え方、信条を一つの“ものがたり”ととらえて、医療・介護を「する側・される側」ではなく、お互いに人とひととして心の奥深くからの語りを真剣に受け止めて、対話をして、それを深めるという関係性そのものを大切にしていきたいと考えています。
また、ご入居者とご家族の不安や悩み等、医療や介護の力だけでは解決できない心の痛みに対するスピリチュアルケアの実践者として臨床宗教師が注目されています。メディカルシェアハウス アミターバでは、臨床宗教師2名が常駐し、ご入居者とそのご家族はもちろんのこと、地域の方々との交流を通じて皆さまの心の声に耳を傾けます。
沼口 諭 理事長
*アミターバ(amitabha)名前の由来 阿弥陀如来(あみだにょらい)の梵名です。
「無限の光」の意味で、漢訳して「無量光仏」ともいいます。
暗闇の中の光のように明るく周りを照らすので無量光という名をつけてたたえています。
メディカルシェアハウス アミターバの理念
- 住み慣れた自宅での生活を望みながらも、自身をとりまく環境が整わないために病院等での生活を余儀なくされている末期がんの方など、医療依存度の高い方とそのご家族をサポートするため、医師・看護師・ヘルパー等の医療・介護スタッフだけでなく、臨床宗教師も加わることによって、「その人がそのひとらしく」心身ともに安らげる『いのち』のケアの確立を目指します。
- 高齢社会を迎えた現代において、国は在宅医療を中心とした地域包括ケアを地域再生の要として推進しています。そのような地域包括ケアシステムを支えるために、在宅での生活が困難となった方が住み慣れたご自宅とハウスをいつでも行き来でき、どこにいても同じスタッフがサポートできるシステムを目指しています。
- また、臨床宗教師の研修・普及拠点としてハウス内にカフェ・デ・モンクを併設しております。
概要
- 居室数 18室(14.36㎡)
内4室隣の部屋と内部でつないだコネクティングルーム - 洗面所、収納家具付き
- 浴室 ストレッチャー浴室、リフト浴室
- 家族室 1室(和室)
- お食事 外部給食専門調理師による調理
腎臓病食・脂肪制限食・貧血食・ゼリー食対応可 - 談話室(カフェ・デ・モンク)、瞑想(めいそう)室、多目的ルーム併設
Cafe de Monk(カフェ・デ・モンク)
東日本大震災後、宮城県栗原市にある通大寺住職、金田諦應(かねたたいおう)住職によってはじめられたプロジェクトで、宗派や宗教を超えて集まった僧侶や牧師などによる移動傾聴喫茶。軽トラックにテーブルやベンチ、コーヒー、ケーキを積み、不定期に被災地の仮設住宅を訪問する。英語でお坊さんをモンクということから、モンク(お坊さん)が被災地に暮らす人々のモンク(文句)を聞いて、一緒にモンク(悶苦)する、Cafe de Monk(カフェ・デ・モンク)と名づけられた。
移動傾聴喫茶として始まった(カフェ・デ・モンク)を、水都おおがきの地で、初めて、常設(カフェ・デ・モンク)としてオープンいたしました。
【オープン日】
毎週(祭日を除く) 月・水・金曜日
午後13時30分から午後16時まで
節分、端午の節句など毎月、月に一度イベントあり
イベント
沼口訪問介護ステーション
アミターユス
訪問介護とは
訪問介護は、ご利用者が可能な限り自宅(居室)で自立した日常生活を送ることができるよう、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅(居室)を訪問し、食事・排せつ・入浴などの介護(身体介護)や、掃除・洗濯・買い物などの生活の支援(生活援助)をします。
沼口訪問介護ステーションの特徴
当ステーションは、2015年11月1日、メディカルシェアハウス アミターバ併設事業所としてオープンいたしました。
併設の訪問介護ステーションから、介護福祉士等の資格を持ったスタッフがご利用者のお部屋を訪問し、ケアプランに基づき、介護のプロとしてご利用者それぞれの想いに寄り添うケアを提供いたします。
当事業所では、基本的にすべての介護職員が喀痰吸引等研修(2号研修)を受講しております。
連絡先
私たちは、「生き生きとした輝きのあるいのち」を生きることができるよう、
サポートしていきたいと考えております。
どんなことでもお気軽にご相談ください。
〒503-0023
岐阜県大垣市笠木町386番地1
メディカル シェアハウス アミターバ内
TEL 0584-93-1081
FAX 0584-47-5030
訪問介護職場環境等要件(PDF)
※PDF形式の文書をご覧いただくには、AdobeR Acrobat Reader(無料)が必要です。
臨床宗教師の誕生とその背景
東日本大震災後の宗教者の対応
寺社教会を避難所として開放し、炊き出しや物資の支援をしました。
また、遺体安置所や遺骨安置所での読経ボランティアやコンサート、イベントの企画、傾聴移動喫茶(『Cafe de Monk』)などの継続した活動がありました。
Cafe de Monk(カフェ デ モンク)
お坊さんが運営する喫茶店です。Monkは英語で“お坊さん”という意味でがれきの中に“ホッとする”空間と落ち着いて泣ける場を提供しています。
お坊さんに「文句」の 一つでも言いながら一息つく喫茶店です。
お坊さんもあなたの「文句」を聴きながら、一緒に「悶苦」します。
被災地では異なる宗教的背景を持つ宗教者同士が力を合わせた地道な活動が注目されました。
被災地での活動現場から宗教者の存在意義が見直され、人々の苦悩や悲嘆に寄り添うことのできる宗教者が求められていきました。
岡部健医師による臨床宗教師の提唱
故岡部医師は在宅緩和ケアを専門に診療所を早くから立ち上げられ、人が死に逝く現場に死を語ることのできる宗教者の必要性を感じておられました。
そこで、高い公共性を保った「臨床宗教師」の提唱をされました。
臨床宗教師の養成
被災地での活動から高い公共性を保った臨床宗教師を養成しようと、2012年4月より東北大学大学院に臨床宗教師を養成する実践宗教学寄附講座が開設されました。
この養成講座は、相手の声に寄り添って耳を傾け、高い公共性を身に付けるのが目的です。布教を目的としない接し方や幅広い宗教的ケアの提供方法を学びます。
臨床宗教師の特色と役割
チャプレンとは
欧米の宗教団体で専門教育を受け、高い公共性を保った心のケアを行う宗教者です。欧米の病院やホスピスでは一般的であり、スピリチュアルケアと宗教的ケアを実践しています。
欧米では、病院や刑務所、軍隊、警察、消防、連邦捜査局(FBI)、企業、大リーグといったさまざまな公共機関にチャプレンが配置されています。
チャプレンから臨床宗教師へ
「臨床宗教師」とは欧米におけるチャプレン(chaplain)の日本語訳にあたります。
日本の文化や宗教性に合わせた日本のチャプレンが臨床宗教師なのです。
チャプレンと同様に高い公共性を保ち、布教伝道を目的としないで心のケアをします。
スピリチュアルケアと宗教的ケア
- スピリチュアルケア
-
病気や自然災害などで、生きる意味や生き方が見いだせないような状況において、自分の支えとなるものを再確認・再発見することで生きる力を取り戻すケアです。
援助者は相談者の自己表現をサポートし、相談者の「気づき」を大切にします。援助者は相談者に助言をすることは基本的にありません。 - 宗教的ケア
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相談者の非合理的な体験(お迎え現象や神秘的体験・感覚)に意味づけをするケアです。
援助者は相談者に「気づき」や「助言」をし、宗教的な表現方法をします。
宗教的行為(儀式・聖典の言葉・祈り・祭具の使用)そのものがケアになります。
臨床宗教師とは
大きな特色は布教伝道を目的とせず、傾聴を基本にスピリチュアルケアと宗教的ケアを提供します。
また、宗教・宗派の垣根を越えて宗教者同士が協力をします。公共的空間で多職種(医師・看護師・MSW・ケアマネジャー等)とも連携をし、心のケアにあたります。
相談者は、宗教や死について詳しい臨床宗教師に語ることで、考えを整理することができます。
当院での取り組み
地域包括ケアシステム
高齢多死社会を見据え「地域全体で治し・支える医療」である地域包括ケアシステムを推進しております。
住み慣れた地域で最期を迎えるには、多職種で構成される医療チームが必要不可欠です。当院の医療チームには臨床宗教師が配置され、多職種との連携を図っています。
医療と宗教
医療、介護関係者と臨床宗教師の僧侶や牧師とが共に死生学を学ぶ勉強会を開催しています。
当院は東北大学の臨床宗教師を養成する実習先として指定されており、医療と宗教の協働を目指しています。
当院における臨床宗教師の活動内容
在宅患者宅を訪問し、患者さまとそのご家族の語る人生観や死生観に寄り添っています。
訪問先は宗教・宗派を問わず訪問し、1時間~2時間、傾聴することもあります。その中で希望があった時のみ読経や聖書などによる宗教的ケアも実践しています。
医療現場で避けられがちだった「死」についても相談できる臨床宗教師を地域包括ケアシステムに配置することで、在宅医療の資質向上を目指しています。